「教科書通りでは救えなかった痛み」8年目の理学療法士がたどり着いたDNMという選択

初めまして。石川県金沢市で理学療法士として活動しております。これまで千葉県を拠点に臨床経験を積み、2024年夏から地元である金沢市に戻り、新たな挑戦を始めました。この記事では、私が出会ったDermo Neuro Modulating(DNM)という新しい徒手療法との出会い、そしてそれをなぜ石川県で広めようとしているのかを、自己紹介を兼ねてお伝えさせていただきます。

理学療法士として8年の間、多くの患者さんと向き合ってきました。その中で抱いてきた疑問、そして探し求めていた答え――それがようやく見つかったと感じたのが「DNM」との出会いでした。単なる手技ではなく、「人の痛みとは何か」を根本から問い直すこのアプローチを、同じように臨床で悩む方々と共有したいと思っています。

目次

石川県金沢市を拠点に活動をスタート

2024年夏、私は千葉県から生まれ育った地元・石川県金沢市へと拠点を移しました。理学療法士としてのキャリアを一度見直し、地域医療により深く関わる道を選びたかったこと、そして何より、自分がこれまで学んできた知識と経験を地元に還元したいという思いがあったからです。

金沢市では整形外科クリニックに勤務しながら、Dermo Neuro Modulating(DNM)の普及にも取り組んでいます。都市部とはまた違う、地域ならではの医療課題にも触れる中で、「よりやさしく、より確かな治療」を求める声を実感しています。DNMは、まさにそのニーズに応えることのできる手法だと感じています。

理学療法士としての8年間

私が理学療法士として臨床に立ってから、今年で8年目になります。最初の3年間は総合病院に勤務し、さまざまな疾患や急性期・回復期の患者さんを対象にリハビリテーションを行ってきました。その後は整形外科クリニックへとフィールドを移し、より地域に密着した形で慢性痛や機能障害に向き合ってきました。

特に印象的だったのは、「同じような症状でも、患者さんごとにまったく異なる反応を示す」という事実です。教科書通りにいかない現実を前に、理論だけでは解決できない課題の数々。そんな現場で、どうすればもっと「人を診る」ことができるのかを模索し続けていました。

私が抱えていた疑問:「生体力学モデル」に対する違和感

理学療法士として臨床に立つ中で、私が最も大きな違和感を覚えていたのが「生体力学モデル」でした。運動学や関節学といった、いわゆる“教科書的”な理論に基づいた評価や介入を行っても、現場の患者さんたちの反応は必ずしも理論通りとは限りませんでした。

「理論上では負担が減るはず」「関節の位置関係が整えば痛みは軽減されるはず」――確かに、計算上はそうかもしれません。しかし、患者さんの顔を見るとどこか納得していなかったり、動作分析の結果に変化が見られなかったり、なにより痛みそのものが変わらないというケースを多く経験しました。

「本当に、これでいいのだろうか?」
その疑問が、私の中に常に残っていました。決して理論を否定しているのではなく、現実との乖離に目を向けたときに、「本当に人の身体を診るということは何なのか」を問い直す必要性を感じていたのです。

数百万円をかけた学びの旅

その答えを探すため、私はこれまで200万円以上を勉強会やセミナーに投じてきました。専門書などの購入を含めれば、総額は300万円を超えているかもしれません。ですが、それだけ投資する価値があると感じていたのです。

参加してきたセミナーは実に多岐にわたります。PNF、ボバース、神経モビライゼーション、AKA、SJF、関節マニピュレーションなど、名前を挙げればきりがありません。どれも実績ある技術体系で、講師陣も経験豊富な方ばかりでした。

しかし、私はあることに気付きます。同じような手技であるにもかかわらず、各団体・各セミナーで説明されている理論や根拠がまったく異なるのです。ときには正反対の説明をされることさえありました。

医療に求められるものは「再現性」と「科学性」です。にもかかわらず、各セミナーで語られる“正しさ”はバラバラで、その根拠には一貫性がないように思えました。まるで、迷路に迷い込んだような感覚。学べば学ぶほど、疑問と混乱が増していく時期でした。

それでも「何か」があると信じて

けれど、私は学びを止めませんでした。「本質的な何か」「納得のいく理論と手技が、どこかにあるはずだ」と信じていたからです。現場の患者さんに真に寄り添える医療を目指すなら、曖昧な説明ではなく、科学的で論理的な裏付けがある方法論が必要だと考えていました。

周囲からは「そこまで学んでも答えなんてないよ」「そこまで勉強しなくてもいいんじゃない」と言われることもありました。けれど、私は簡単には諦められなかったのです。患者さんの「痛みが変わらない」「楽にならない」という声に応えられないまま終わることだけは、どうしても受け入れたくありませんでした。

そんな私の思いが、やがてひとつの出会いへとつながっていきます。
それが、Dermo Neuro Modulating(DNM)でした。

Dermo Neuro Modulating(DNM)との出会い

そんな迷路のような手技の世界をさまよっていた2019年、私はある出会いをきっかけに、一筋の光を見ることになります。それが、Dermo Neuro Modulating(DNM)との出会いです。

当時、ちょうどコロナが流行する少し前。私は「何か新しい考え方に触れたい」という半ば藁にもすがる思いで、岩吉 新先生のセミナーに参加しました。そして、正直驚きました。DNMで語られていたのは、どこかの手技団体の“〇〇理論”ではなく、脳科学や神経科学を基盤とした痛みの「現象」としての捉え方。しかもそれを、誰にでもわかる言葉で、論理的に説明されていたのです。

それまで「とにかくこの方向で押せば変わる」とか、「この位置で〇秒保持すると神経がリリースされる」とか、「まあ…感覚を信じて」などという、もはや信仰のようなアプローチばかり見てきた私にとって、DNMの考え方は衝撃でした。

「ああ、ようやく“人の痛み”を科学として扱う人に出会えた」と、本気で思いました。
正直ここまで書くと宗教っぽくて逆に怪しく見えるかもしれませんね(笑)
でも、私がDNMを信じている理由は“論理性”です。スピリチュアルではありません。ご安心ください。

DNMが変えた「臨床の考え方」

DNMに触れて最初に変わったのは、「自分が何をしているのか」が説明できるようになったことです。

それまでは、「なんとなくこの辺を動かすと良くなる」とか、「これが〇〇法でいうところのフェーズ2だ」とか、理屈より手技が先行していた世界にどっぷりと浸かっていました。でもそれでは、患者さんの「なぜそれで良くなるんですか?」という質問に、心から納得できる答えを返すことができませんでした。

DNMは、痛みを「脳の認知と神経系の反応がつくり出している現象」として捉えます。
それゆえ、施術の目的は「硬いところを押すこと」でも「歪みを直すこと」でもなく、脳と神経に『安心』を届けること。そして私たちが直接介入できる皮膚と神経からの生理的な変化を促すことです。この視点は、従来の構造主義的な「壊れているところを探して直す」というモデルとは真逆でした。

そして、患者さんがそれを聞いて「なるほど、そういうことだったんですね」と納得してくださる。
この瞬間の説得力は、今までのどんな“マニピュレーションテクニック”よりもずっと強かったのです。私は気づきました。今まで主役だったのは「手技」や「理論」で、患者さんではなかったということに。

DNM JAPAN認定アドバイザーとしての活動

私は2023年、ようやく岩吉 新先生から直接、プライベートレッスンを受けることができました。
その内容は、ただ技術を教えるものではなく、「どう考えるか」「何に疑問を持つか」を徹底的に問うものでした。
そしてその学びを経て、私はDNM JAPAN認定アドバイザーの資格を取得し、現在は副代表として活動しています。

ありがたいことに、岩吉先生と共にDNMを広める活動に携われる立場をいただきました。
ただ、それは“指導者”としてではなく、一緒に悩み、考え、実践していく仲間としての立場です。

今の私の目標は、石川県金沢市という地域において、DNMを必要としている治療者・患者さんに、過度な期待でも奇跡のテクニックでもない、科学的な理解に基づいた安心感を届けることです。

もう、「どの団体の言っていることが正しいか」で悩む必要はありません。
もっと大事なのは、「その説明が患者さんにとって意味のあるものかどうか」です。
それを、これから多くの人と共有していけたらと思っています。

「スピリチュアル」ではなく、「論理と科学」

DNMの話をすると、時々こう言われます。
「なんか意識高い系の手技って感じですね」「痛みは脳で感じるとか、スピリチュアルっぽくないですか?」と。

正直、ちょっと笑ってしまいます。
というのも、実際のところ“曖昧さ”でごまかしているのは、むしろ従来の手技の方が多いと感じているからです。

・「この方向に動かせば自律神経が整う」
・「この操作で内臓が活性化する」
・「筋膜がつながってるのでここを押せば頭痛が消える」

いや、検証は? エビデンスは? そもそもその“理論”は何語で書いてあるんでしょうか?(笑)

もちろん、すべてを否定するわけではありません。ただ、「それっぽい説明」で患者さんや若手を納得させて終わる風潮には違和感があるのです。曖昧な専門用語を並べて安心感を演出するくらいなら、ちゃんと「まだ分かっていないけど、こう考えると整理できる」という正直な説明をした方がよほど誠実だと思います。

DNMが提供してくれるのは、そういう「正直で、科学的で、わかりやすい」枠組みです。
そしてそれは、現場で困っている人にとってこそ意味があるのだと、私は信じています。

今後の発信について

これから私は、このブログを通して、DNMという考え方を少しずつ発信していきたいと思っています。

対象は、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸師、トレーナー、その他「人に触れる」仕事をしているすべての方です。そして、もうひとつ大切な対象は今まさに“手技の迷路”に迷っている方たちです。

DNMは、テクニックを競うような世界からは少し距離を置いています。「どの関節をどれくらい回旋させたか」よりも、「患者さんが安心しているか」「脳が安全だと感じているか」に注目します。

だからこそ、現場で「これって本当に意味あるのかな?」と感じている人にこそ、響く内容だと思っています。
そして、情報を発信する側としても、専門用語をただ並べるのではなく、一緒に考えられる言葉で伝えることを心がけていきたいと思っています。

SNSでの発信も行いますが、ブログではより深く、文脈を持って届けられる内容にしていきたいです。
どうか気軽に読んでいただき、ときにはツッコミを入れながら、お付き合いいただければと思います。

情報発信の目的とビジョン

私が情報を発信する理由は、とてもシンプルです。
「これから先の医療が、もっと人にやさしくなるために、必要な考え方がある」と感じているからです。

治療者が“正しさ”を押し付けるのではなく、患者さんと一緒に“納得できるプロセス”を探していく。
そんな姿勢が、これからの臨床には求められていくと確信しています。

DNMは決して「すごい手技」ではありません。実際にはとてもやさしくて、控えめで、派手さもありません。
ですが、そこにある哲学や考え方には、今の医療に欠けている“本質”があるように感じています。

「手技」や「肩書き」や「流派」が主役になってしまったこの業界で、もう一度、「人」が主役になる臨床を取り戻したい。そんな願いを込めて、私はこの活動を続けていこうと思っています。

ご挨拶と感謝

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

このブログは、私という一人の理学療法士の「違和感」から始まりました。
そして、その違和感を無視せずに歩き続けた結果、ようやく出会えたのがDermo Neuro Modulating(DNM)でした。

もちろん、これがすべての人にとっての「正解」ではないかもしれません。
ただ、もしあなたが今、「なんとなく釈然としない臨床」を感じているなら、
「理論と現実がかみ合わない」ことにうすうす気づいているなら、そして、「自分のやっていることをもっと論理的に説明したい」と思っているならこのブログで発信していくDNMの考え方や視点が、きっとヒントになるはずです。

私は、特別な人間ではありません。
ただ、少しだけ粘り強く問い続けてきただけの理学療法士です。

これから、同じように現場で悩んでいる方、学び続けている方、そして患者さんと真摯に向き合っている方と、
言葉と考え方を通じて、つながっていけることを心から楽しみにしています。

どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

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